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エストニア問題とロシアのまやかし

2007/05/14 13:11

 

 旧ソ連・バルト三国のエストニアで、60年前に建てられたソ連軍兵士の銅像をエストニア当局が首都タリンから撤去し、郊外に移転して両国関係が大もめにもめている。エストニア側はこの銅像を「ソ連による祖国占領・侵略の象徴」と主張し、ロシア側は「エストニアをナチス・ドイツから救った解放者の像」との立場だ。だが、歴史をまともに見つめれば、論議の余地なくロシア側の言い分が100%まやかしなのに気づく。

第二次大戦中、ソ連軍は確かにヒトラー軍をエストニアで撃滅した。しかし、すでにソ連は独ソ戦争勃発前の1940年、スターリンがヒトラーとの密約に基づいてエストニアラトビアリトアニアとともに強制併合していた。ソ連はエストニア国内の抵抗勢力は容赦なく貨物列車でシベリアなどに強制移住させるか虐殺して新版図に居座ったのだ。

つまり、ソ連という元々の占領者がナチスという新たな占領者を撃滅したのであって、撃滅後、ソ連がまた占領者として舞い戻ってきたに過ぎない。エストニア国民にとってナチス、ソ連のいずれが自分たちの支配者になっても、被抑圧者としての立場は全く変わらないのだ。今の「民主ロシア」が「ソ連がエストニアをナチス・ドイツから解放した」と言い張る時、「いったん解放はしたが、またソ連共産主義の圧政を長年にわたって押しつけて申し訳なかった」と謝罪すべきが筋というものである。

ナチス撃滅後、ソ連軍自らがエストニアから速やかに撤退し、エストニアの戦後の命運をエストニア自身に決めさせていたら、その時初めてソ連軍は「解放者」になりえたのである。ロシアの真実をねじまげるレトリックにはくれぐれも要注意である。今度のエストニア問題は、「歴史認識」問題で日本を丸め込んでいる「北方領土問題」と根っこは同じであることを認識する必要がある。

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エリツィンは2流墓地に

2007/04/25 09:51

 

エリツィンが死んで今日25日の国葬後、モスクワのノボデービチ墓地に埋葬されるとか。この墓地はクレムリン首脳の永遠の眠りの地としては「2」で、ソ連の歴代指導者では失脚したフルシチョフしか入っていない。エリツィンに権力を「禅譲」されたプーチンが、その恩あるエリツィンを「ソ連を崩壊させた憎き男」として冷たく扱う姿勢が埋葬ひとつでよく分かる。ソ連式権力闘争の残滓を見る思いだが、将来、プーチン自身の末路は果たしてどうなるのか。今日の産経新聞主張(社説)はプーチンに「法と正義の遺志を継げ」と訴えているが、現実はもはや「G8の国」の資格など毛頭ない。「西側」、特に北方領土問題を抱えた日本外交はよほど腹を据えて北方の熊に処しないと、益々のっぴきならない袋小路に陥るだろう。

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「日本国憲法の正体」ついに発売!!

2007/04/20 15:45

 

 5月3日の憲法記念日を前に、本日20日、「別冊正論」第6弾、「日本国憲法の〝正体〟」が全国一斉に発売されました。マッカーサー制定の仮物憲法の施行から60年、「憲法を変えさえしなければ戦争は起きないと思っている人たちへ」贈る正論編集部渾身の特集です。定価860円です。
 
 下記のEメールでお申し込みできます。
       seiron@sankei.co.jp

FAXが御都合よい方は以下のFAXまで
       03-3241-4281

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温家宝訪日、もうひとつの追加的見方

2007/04/17 15:09

 

 中国温家宝首相が帰国したが、新聞・テレビ・雑誌にこれまで出ている論評をすべて踏まえた上で、小生のもうひとつの追加的「温家宝訪日」論。

 中国は来年の北京五輪を「西側」がボイコットする事態を密かにまだ怖れている。

共産圏最初の五輪は1980年のモスクワ五輪だったが、直前の1979年12月27日にソ連軍はアフガニスタンに軍事侵攻する暴挙に出た。これに反体制活動家でノーベル平和賞物理学者、サハロフ博士が異議を唱えると、ブレジネフのクレムリンはサハロフ氏の身柄を拘束し、モスクワ東方400キロのゴーリキー市に国内流刑にしてしまった。国際的イベントである五輪を目前にした人権蹂躙劇に当然、西側からは激しいブーイングがわき起こり、ついに米欧日の西側はモスクワ五輪ボイコットに突き進んだ。高をくくったソ連の傲慢さが折角の五輪を「東側」だけの片肺飛行にしてしまった。

 当時の冷戦真っ只中と今は時代背景はもちろん異なる。しかし、共産圏で二番目の五輪を開催する中国は、モスクワ五輪のこのボイコット劇を教訓にしてじっくり外交戦略を練り上げている。この場に及んで日本や米国にボイコットされでもしたら、それこそ国家威信は地に落ち、共産党政権の命運そのものにも深刻な影響が出る。クレムリンがモスクワ五輪直前に世界に露呈してしまったような強硬姿勢を温家宝は捨て、靖国や慰安婦など歴史問題で露骨な日本攻撃は避け、ジョギングやキャッチボールで精一杯の柔軟・微笑外交をふりまいた理由のひとつはまさにこれだった。

記者会見をしなかったのも、文字通り、政治犯や臓器売買といった数限りない人権問題で記者団に追及されたら(もっとも産経以外はそんな質問はしないだろうが)、モスクワ五輪の「アフガン」や「サハロフ」を想起させてしまう。3年後には上海万博も控えており、温家宝は日本訪問で絶対に予想外の外交的ボロを出すわけにはいかなかったのである。

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佐藤優氏に大宅賞

2007/04/13 11:29

 

わが畏友、佐藤優氏が「第38回・大宅壮一ノンフィクション賞」を受賞しました。小生も同時代を過ごしたソ連崩壊前後のモスクワ在勤時代の情報活動を描いた「自壊する帝国」(新潮社)が評価されたものです。昨夜、たまたまあるパーティーに一緒に出ていて、小生の目の前で「受賞」を知らせる佐藤氏の携帯電話が鳴り、「大宅賞を取った!!」と彼にしては珍しく全身で興奮し、本当に嬉しそうでした。皆さんもぜひ、読んでさしあげてください。

 

 

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海自2曹、情報持ちだし事件をめぐる疑念

2007/04/04 14:23

 

 海上自衛隊の2曹がイージスシステムの中枢情報を持ち出していた事件の真相解明のカギを握るとみられるのは、やはり2曹が昨年秋に結婚した中国人妻でしょう。この妻は横浜の中華街で働いているうちに2曹と知り合って結婚、昨年12月には自ら入管に「オーバーステイ」だと言って出頭するなど、数々の奇行が報告されているといいます。

 果たして、2曹と知り合ったこと自体が、最初から自衛隊機密情報をせしめるための「ハニートラップ」だった可能性はないのか、妻の不審な出入国が中国への情報漏れの有無の解明につながるのではないか、など数々の疑念を生んでいます。

 この事件で隠れたキーワードは「中華街」です。
日本の公安当局は今、日本全国のあちこちで計画が進行中か計画が舞い込んでいる「中華街構想」に密かに警鐘を鳴らしています。中国が各地の中華街を根城に、あるいは隠れ蓑に、機密情報入手や親中派日本人育成などさまざまな対日工作を行おうとしている危険性があるからというのが理由です。2曹の妻が横浜中華街で働いていた事実は、果たして偶然だったのか否か、つぶさに検証する必要があるでしょう。

 ここで特筆されるのが、仙台の梅原克彦市長です。梅原市長は一昨年夏の就任後、前市長や地元商店街がおしなべて建設に前向きだった「仙台中華街構想」に異を唱え、自らの判断で構想を潰してお蔵入りにしてしまいました。この中華街は一見、竜宮城を思わせるファンタスティックな造りで、完成のあかつきには「空中中華街」と呼ばれて観光の名所としても客を引きつけようとの思惑もありました。梅原市長は表向きは「景観がふさわしくない」ことを構想廃棄の理由にしていますが、その裏に治安・公安上の強い懸念があったことは疑いありません。東北最大の都市・仙台を中国の浸透工作の拠点にはさせない、との梅原市長の断固とした意志を示した英断といえるでしょう。

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ロシアによる鳩山翁像の贈呈の意味

2007/03/02 15:54

 

 フラトコフとかいうロシアの首相がフラットきてフラット帰っていきました。

外交と安全保障はプーチン大統領の専管ですから、わかるのは経済だけ。200人ものロシアの財界人を引き連れてきた半面、日本が「四島一括返還」を要求している北方領土問題にはノラリクラリの煮え切らぬ対応ぶりも、むべなるかな、でした。

 茶番は、東京・文京区音羽の故鳩山一郎邸、通称「音羽御殿」への往年の鳩山翁の銅像のプレゼント。鳩山首相は1956年に訪ソして「歯舞・色丹の二島返還」をうたった日ソ共同宣言に調印しましたが、プーチン政権は究極的にはこの「二島」で手を打とうとして

いるようです。そこで、クレムリンはロシアの著名な彫像家に鳩山像の制作を依頼し、昨年秋に「日ソ共同宣言50年」記念フォーラムで訪露した鳩山翁の孫の鳩山由紀夫民主党幹事長に「フラトコフ訪日のさいに、鳩山翁像を贈呈する」と伝えておいたのでした。

 つまり、「二島」での将来の手打ちを視野に入れたクレムリンの狡猾かつ絶妙なパフォーマンスというわけですが、そこに気づいているのか、いないのか。贈呈式には鳩山一族に加えて安倍首相まで馳せ参じたのには、正直唖然としました。

 この「おめでたい」場で由起夫氏は「四島一括返還では1千年たっても(北方領土は)還らない」(朝日新聞)と言ったとか。事実なら、遂に馬脚を現したというところか。まさに「おめでたい」発言として日露交渉史に残る、いや残さねばならぬ迷言でしょう。

 プーチン大統領が一昨年秋に来日したさい、小泉純一郎首相より先に会った政治家が由起夫氏でした。クレムリンは領土問題で鳩山一族を利用しようとしています。今後の双方の連携ぶりに注目、警戒する必要があります。いかがお考えですか。

 

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北方領土の日

2007/02/07 17:50

 

 本日7日は「北方領土の日」でしたが、社説を掲げたのは産経新聞だけ。他紙は全く無視で、何処を探しても「北方領土」のホの字もありませんでした。昨日は根室市民(出身者を含む)約100人が30年ぶりに都心をデモ行進したので取材に行ってきましたが、ノンフィクション作家の上坂冬子さんが最初から最後までデモの隊列に沿って歩かれていたのが印象的で、頭が下がる思いでした。この模様も7日の産経に載り、産経抄でも取り上げました。正論欄では評論家の田久保忠衛氏が「北方領土問題の原点に戻れ」と訴えていました。産経は「北方領土」で満載なのに、産経を読んでいない人は7日が「北方領土の日」であることさえ、知らないで済んでしまったことでしょう。

 マスコミの体たらくは、「4島一括返還」の大原則が、領土2等分論、3島返還論、2島返還論と乱れに乱れてしまっている現状と無関係ではありません。

九段会館の北方領土返還要求全国大会には安倍首相が首相として3年ぶりに出席し、麻生外相も姿を見せたのですが、「予算委員会が待っている」と一瞬の顔出しだったのは残念でした。特に麻生さんからは昨年12月の衆院外務委員会で、なぜ二等分論などに言及したのか、明確な説明が聞きたかったのですが、当たり障りのないスピーチで、がっかりというところです。

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「領土2等分」論の岩下教授批判をお読みくだされば。

2007/01/31 15:34

 

 朝日新聞が「3島返還論」者の岩下明裕北大スラブ研究センター教授に大佛次郎論壇賞を授与したことに疑問を呈するブログを書いたことがありました。明日2月1日発売の

雑誌「正論」3月号で「北方領土は泣いている」とのタイトルでこの問題をきちんと記事にしました。厚かましいお願いですが、是非お読みいただき、ご批判を仰ぎたく思います。

 

 これに関連して、先日、ある会合で、毎日新聞のロシア担当の編集委員2人(一人はOB)と話していたら、「いまや、4島返還(を主張するの)は産経新聞だけになったね。ま、精々頑張ってよ」と大いに揶揄されました。国家主権・国益意識はかくもマスコミ内部でもひんまがってしまっています。

 

 くだんの岩下教授は受賞に自信を深めたのか、2月15日に東京・内幸町の日本記者クラブでなんと記者会見を開くのだそうです。当然、斎藤も「正論」片手にはせ参じ、一戦交えたいと手ぐすねをひいています。

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別冊正論第5弾発売

2007/01/22 13:41

 

「別冊正論」第5弾「日本防衛にタブーなし」が本日22日、全国一斉に発売されました。「核論議」が注目を集める中で、あらゆる角度から日本防衛のあり方を探った渾身の企画です。ぜひ、ご一読をお願い申し上げます。執筆陣は石原慎太郎、渡部昇一、佐藤優、日下公人ら多彩をきわめています。

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